ちょっと返答

昨日の記事にコメントをくれた方に指摘していただいた部分について、分かってる範囲で書こうと思う。(調査中の部分もあるので、今書くことが最終的に卒論に直結するとも限らないが)
農家の所得について。
95年から農家の区分を3つに分類された。
「主業農家」(農業所得が50%以上)、「準主業農家」(65歳未満の農業従事60日以上)、「副業的農家」(65歳未満の農業従事60日以上の者がいない農家)
それぞれの数を見るとする。(2006年)
主業農家:398千戸(21.1%)、前年増加率(−7.3%)
準主業農家:452千戸(24.0%)、前年増加率(1.9%)
副業的農家:1035千戸(54.9%)、前年増加率(−5.1%)
副業的農家が一番多い。これは、65歳以上の農業従事者が多いだけだと推測できる。
主業農家と副業的農家の差については、90年に比べて格段と開いている。(90年の主業農家数820千戸に対し、副業的農家は1196千戸)
次に、所得を見るとする。
主業農家:4143千円(農業所得)+394千円(農業外所得)+850千円(年金等の収入)=5387千円
準主業農家:628千円+4110千円+1295千円=6033千円
副業的農家:300千円+2469千円+1926千円=4695千円
次に気になるのが、農家の経費について。
主業農家:7245千円
準主業農家:2556千円
副業的農家:1145千円
この経費を見てわかるのは、コメントいただいた内容の兼業農家(この場合準主業農家)の経費が低いことがわかる。それほど機械に頼っていないのではないかと思う。
費用の構成で、建設費、自動車費、農機具費の比率は25%。(これは水田を例にしている)
台風などの自然災害があるからと言って、個々の農家が何台も農機具を持つ必要があるのか?というところが疑問で、複数の農家が共同で使うことで、個々の農家の負担が減ると思うのは間違っているのだろうか。平時に稼動していない農機具が勿体無いと思う。
土日に機械を使うということについては、次のデータを見てもらいたい。
10aあたりの農業労働時間。
主業農家:100時間
準主業農家:110時間
副業的農家:75時間
基本的に土日にしか農作業をしないのなら、主業農家よりも働いているというのは不思議に感じる。
そもそも、所得を見ても分かるが、準主業農家は主業農家に比べて、農業所得が15%程度なのに、同等の機械を採用すること自体おかしいとも感じる。
あと、副業的農家の規模は大きくない。
まぁ何を言いたいかというと、集落営農には大賛成なのだが、個別農家のワンマンな考え方を直さないと、せっかくの取り組みも水の泡になるし、もっと言えば、企業として集落営農をすればいいじゃないかという風に私は考えている。戦後、「農家」という組織に誘導する政策が取られてきたようなのだが、つい60年前まで、農民は小作人だったのだから、地主を立ててどうにかしたらどうかと。(組合組織はすでに失敗してると思うので、それはナシ)
国が保護するにしても、経営は国にやらせればいいし、農業従事者は、農業に特化すればいい。(経営も農業も自分達でするけど、保護だけ国に頼むのは筋がちょっと違う気がするから。産業再生機構みたいな組織が対処するようにしても良いのかもしれない)
それと、私の卒論については、「消費者」の保護に重心を置いている。まず「農家」を保護しようとする短絡的な姿勢ではなく、国民(消費者)にとって一番良いことは何かを考えていきたい。
ただし、早急な保護政策として、米などの基礎的な食糧を国内で作るのは重要なことだと思ってるので、耕作放棄地の拡大は問題視している。
回答になってなかったら申し訳ないが、あんまり卒論のネタを完成させる前に(完成は大分先になりそう…)ばらしてしまうと問題なのでこんなもんでどうでしょうか。