憲法

憲法Ⅱの講義で非常に異議があることを言っていた。
去年起こったイラクの邦人人質事件についてである。
 
テロリストに拉致された邦人に対して、
政府や自民党の政治家が非難したという話だった。
憲法13条で個人の自由が認められているのだから
イラクへいくのも自由じゃないか、
しかも人のために行っていたのに非難されるのはおかしいと。
さらに政府に非難されるのは、
主権上おかしいとも。
 
この話に対して疑問を持った。
政府は個々人に対して完全な身柄の安全を保証しなければならないのなら、
自衛隊イラク駐屯は当然のことだと思う。
あの時期世界各国(フランス、ドイツ等以外)の軍隊がイラク入りしていたし
アメリカも強く自衛隊イラク入りを希望していたのだろう。
さらに、湾岸戦争のときのことも教訓として考えると、
外交上自衛隊イラク入りは仕方がないことだと思う。
この個々人の保証と実務の外交は矛盾している。
 
すべての場合に対して例外なしに個々人の安全を保証するということは
外交を完全無視することを意味している。
もちろん邦人の安全のために各国に大使館・領事館が派遣されているが
イラクという国はそれどころではない。
自衛隊でさえ危険な地域なのだ。そのような地域にたとえ人のためといえども
行くことが権利だからといって認められるのだろうか。
 
はっきり言って今日の講義で聞いたのは、机上の空論としか思えない。